売る?貸す?佐久市の実家を「戸建て賃貸」にして活用するメリットと注意点
「相続した実家、正直まだ手放す決心がつかない」
そんな声を、佐久市で不動産のご相談を受けているとよく耳にします。
思い出の詰まった家をすぐに売るのは気が引ける。でも空き家のまま放置するのも不安。
——そんなとき、選択肢としてもう一つ検討していただきたいのが「戸建て賃貸」という活用方法です。
この記事では、相続した実家を「売る」のではなく「貸す」という選択をした場合に、どんなメリットと注意点があるのかを、佐久市の実情も踏まえながら整理していきます。
戸建て賃貸とは?マンション経営とはここが違う

戸建て賃貸とは、その名の通り一戸建ての家をまるごと1世帯に貸し出す賃貸経営のスタイルです。
アパートやマンションのように部屋を区切って複数世帯に貸すのではなく、「家一軒=一つの賃貸物件」として扱います。
マンション経営と比べて戸建て賃貸には、次のような特徴があります。
- 入居者は庭や駐車場も含めて家全体を使える分、ファミリー層に好まれやすい
- 一度入居が決まると、長期入居する傾向が高い
- エレベーターや共用部の設備がないため、区分マンションより維持管理費が抑えられる傾向がある
- 相続した実家をそのまま活用できるケースが多く、新たな建築コストがかからない
- 移住者が増えている佐久市において、ファミリーが好む3LDK以上の物件が少なく、戸建て賃貸需要が高い
つまり、相続した実家がまだ十分に住める状態であれば、大掛かりなリフォームをしなくても賃貸に出せる可能性があります。
実家を賃貸に出す4つのメリット
1. 家賃収入という形で資産を活かせる
売却すれば一度きりのまとまった資金になりますが、賃貸であれば毎月の家賃収入という形で継続的な収益を生み出せます。
特に住宅ローンなどの負債がすでに完済されている実家であれば、賃料のほとんどが手元に残る収益源になります。
2. 「今すぐ手放さない」という選択肢を残せる
一度売却してしまうと、その家を取り戻すことはできません。
賃貸であれば、将来的に「やっぱり売りたい」「家族が住むことになった」といった状況の変化にも柔軟に対応できます。
判断を急がなくていい、というのは精神的にも大きな安心材料になります。
3. 空き家放置による老朽化・近隣トラブルを防げる
人が住まなくなった家は、換気や通水が行われないことで想像以上に早く傷みます。
誰かが住み続けることで、建物の劣化を自然に抑えられるのも賃貸活用の隠れたメリットです。
また、空き家のまま放置して「特定空家等」に指定されてしまうと、固定資産税の住宅用地特例が外れて税負担が跳ね上がるリスクもありますが、賃貸として活用していれば、こうした事態を避けやすくなります。
4. 思い出の家を「手放さずに残せる」心理的な安心感
ご両親が長年暮らした家を売ることに、心理的な抵抗を感じる方は少なくありません。
賃貸であれば所有権を維持したまま活用できるため、「手放した」という感覚を持たずに済むという声もよく聞きます。
賃貸に出す前に知っておきたい5つの注意点

良いことばかりではありません。賃貸活用には、事前に理解しておくべき注意点もいくつかあります。
注意点1:相続空き家の「3000万円特別控除」が使えなくなる可能性が高い
これは特に見落とされがちな、かつ重要なポイント。
相続した空き家を売却する際に譲渡所得から最大3000万円を控除できる特例(いわゆる「空き家の3000万円特別控除」)には、「相続開始から譲渡の時まで、事業の用・貸付けの用・居住の用に供されたことがないこと」という要件があります。
つまり、一度でも賃貸に出してしまうと、将来その家を売却する際にこの特例が使えなくなる可能性が高いのです。
「とりあえず賃貸に出して、様子を見てから売ろう」と考えている場合は、将来の売却時にこの控除が使えないことによる税負担の増加も含めて、トータルで判断する必要があります。実際に控除を受けられるかどうかの最終判断は税務署が行うため、迷う場合は税理士へのご相談をおすすめします。
注意点2:賃貸経営には管理の手間がかかる
入居者募集、契約手続き、家賃の入金管理、設備の故障対応、退去時の原状回復など、賃貸経営には継続的な管理業務が発生します。
ご自身で管理するか、管理会社に委託するかによって手間とコストのバランスが変わってきます。
ちなみに、私たち「にじや不動産」でも戸建て賃貸を所有していますが、アパート経営よりもずっと手間がかかりません。
その理由は入居期間が長い傾向にあるため、入退去に伴う募集の手間も減る。というわけです。
注意点3:佐久市エリアでの賃貸需要を見極める必要がある
戸建て賃貸は、借り手がつかなければ収益になりません。
新幹線通勤が可能なエリアかどうか、周辺に生活利便施設があるかどうか、地域によって賃貸需要には差があります。
売却と違い「相場より安くすれば必ず決まる」というものでもないため、エリアの賃貸需要は事前にしっかり見極めておきたいところです。
「うちの実家は賃貸需要あるかな?」と思う方は、一度ご相談ください!
注意点4:耐震性やリフォームの必要性
古い実家をそのまま貸し出す場合、耐震基準を満たしているか、設備が老朽化していないかは入居希望者にとって重要な判断材料になります。
最低限の修繕やリフォームが必要になるケースも多く、その費用を賃料でどれくらいの期間で回収できるかも検討材料になります。
注意点5:相続人が複数いる場合は合意形成が必要
実家を共有名義のまま賃貸に出す場合、賃貸借契約や修繕の判断について相続人全員の合意が必要になる場面が出てきます。
誰が窓口になるのか、収益はどう分配するのかを、事前に家族間で明確にしておくことがトラブル回避につながります。
なお、賃貸による所得(不動産所得)は確定申告の対象になります。この点も忘れずに準備しておきましょう。
「売る」か「貸す」か、判断の目安
最終的にどちらを選ぶべきかは、ご家族の状況によって変わってきます。判断のヒントとして、次のような視点で考えてみてください。
- すぐにまとまった資金が必要→ 売却が向いている
- 将来また誰かが住む可能性がある/手放す決心がまだつかない→ 賃貸で様子を見る選択肢が向いている
- 税制上の特例(3000万円控除)を確実に使いたい→ 賃貸に出さず、空き家のまま早めの売却を検討
- 管理の手間をかけたくない→ 売却、または管理会社への委託が前提の賃貸
- 建物がまだ新しく、賃貸需要のあるエリアにある→ 賃貸での活用価値が高い
「売る」と「貸す」は対立する選択肢ではなく、ご実家の状態やご家族の意向次第でどちらが合うかが変わる、というのが実際のところです。
まとめ:まずは状態と選択肢を一緒に整理しましょう
相続した実家を「売る」だけでなく「貸す」という選択肢を知っておくことで、判断の幅はぐっと広がります。
ただし、税制面(特に3000万円特別控除との関係)や賃貸需要の見極めなど、専門的な判断が必要な部分も多いのが実情です。
にじや不動産では、佐久市の地域性を踏まえた上で、売却・賃貸それぞれのメリット・デメリットを整理しながら、ファイナンシャルプランナーがご家族にとって一番納得のいく選択肢を一緒に考えるお手伝いをしています。
「まだ決めきれていないけれど、話だけ聞いてみたい」という段階でも構いませんので、お気軽にご相談ください。
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