佐久市の住宅を店舗・事務所へ貸すときに必要な「用途変更用途地域・建築基準法の確認」
住宅として建てられた空き家を、店舗や事務所として貸し出したいと考えたとき、最初に確認すべきなのが「そもそもその用途で使うことが法律上認められているか」という点です。
この記事では、用途地域と建築基準法の観点から、確認しておきたいポイントを佐久市の不動産会社「にじや不動産」が整理します。
用途地域を確認する
土地には「用途地域」という区分が定められています。
住居系・商業系・工業系など、地域ごとに建てられる建物の用途や規模に制限があり、この制限は賃貸に出す際の「使い道」にも直接関わってきます。
例えば、第一種低層住居専用地域のような、閑静な住宅街として指定されているエリアでは、店舗として使える床面積に上限が設けられていたり、飲食店などの営業自体が認められていなかったりします。
一方、商業地域や近隣商業地域では、比較的自由度高く店舗・事務所として活用できます。
対象物件がどの用途地域にあるかは、佐久市の都市計画課で確認できる都市計画図で調べることができます。
事業用テナントとしての活用を検討する際は、まずこの確認から始める必要があります。
| 用途地域 | 事務所 | 飲食店 |
|---|---|---|
| 第一種低層住居専用地域 | 原則不可(兼用住宅で店舗部分50㎡以下かつ延べ面積の1/2未満なら可) | 原則不可(同上の兼用住宅要件を満たせば可) |
| 第二種低層住居専用地域 | 150㎡以下なら可 | 150㎡以下なら可 |
| 田園住居地域 | 原則不可(農産物直売所等、農業に関連する用途に限定) | 原則不可(同上) |
| 第一種中高層住居専用地域 | 原則不可(小規模な兼用住宅等の例外を除く) | 500㎡以下・2階以下の一定規模までなら可 |
| 第二種中高層住居専用地域 | 可(事務所が明確に認められるのはこの地域から) | 1,500㎡以下なら可 |
| 第一種住居地域 | 可(3,000㎡以下) | 可(3,000㎡以下) |
| 第二種住居地域 | 可 | 可 |
| 準住居地域 | 可 | 可 |
| 近隣商業地域 | 可 | 可(深夜酒類提供飲食店・接待を伴う飲食店も可) |
| 商業地域 | 可 | 可(深夜酒類提供飲食店・接待を伴う飲食店も可) |
| 準工業地域 | 可 | 可(深夜酒類提供飲食店・接待を伴う飲食店も可) |
| 工業地域 | 可 | 可(大規模な劇場等一部用途は不可) |
| 工業専用地域 | 可 | 原則不可(住宅・店舗系は基本的に建築できません) |
建築基準法上の「用途変更」手続き
住宅を店舗や事務所として使う場合、建築基準法上は「用途変更」に該当します。この手続きについて、2019年(令和元年)6月の法改正で、重要な緩和がありました。
用途変更で建築確認申請が必要となるのは、飲食店や物販店舗などの「特殊建築物」に該当する用途に変更する部分の床面積が、200㎡を超える場合です。
この基準は、2019年の建築基準法改正により、それまでの100㎡超から200㎡超へと引き上げられました。
国土交通省の調査によれば、9割以上の戸建て住宅が200㎡以下であるため、この改正により、多くの戸建て住宅が確認申請なしで用途変更できるようになったといえます。
200平米を超える家というのはあまりないと思いますから、相続した実家や空き家の多くは、この規模に収まるケースが多いはずです。
確認申請が不要でも、法令適合は必要
ここで注意しておきたいのが、確認申請が不要な場合でも、建築基準法の技術基準(構造、防火性能など)への適合は依然として必要であるという点です。
「確認申請が要らないから、何も対応しなくていい」というわけではありません。特に、消防法上の設備基準(自動火災報知設備の設置など、用途によって求められる基準が変わります)や、都市計画法上のその他の規制についても、別途確認が必要です。
既存不適格建物の場合、追加の改修が必要になることがある
建築当時は適法だった建物でも、その後の法改正により、現行の基準に適合しなくなっている「既存不適格建物」であるケースも少なくありません。
用途変更を行う際には、原則として現行の法令に適合させる必要があるため、古い空き家を店舗・事務所に転用する場合、想定以上の改修コストが発生する可能性があります。
飲食店として貸す場合は、保健所の基準もあわせて確認
借主が飲食店として営業する場合、借主自身が保健所から飲食店営業許可を取得する必要がありますが、そのためには給排水設備やグリストラップ(油脂分離阻集器)など、物件側の設備要件を満たしている必要があります。
佐久市の場合、グリストラップは必須ではありませんが、行いたい飲食業の種類によっては必要になることも。
貸主としても、こうした設備が整っているか、あるいは整えるための改修が必要かを、事前に把握しておくと、テナント募集がスムーズに進みます。
まとめ:確認すべきは「用途地域」「用途変更の要否」「既存不適格の有無」の3点
住宅を事業用テナントとして貸し出す際は、まず用途地域を確認し、床面積に応じた用途変更手続きの要否を把握した上で、既存不適格建物に該当していないかを確認する、という順序で進めるのが基本です。
多くの空き家は確認申請不要の範囲に収まりますが、それでも法令適合の確認は欠かせません。
にじや不動産では、佐久市での空き家の用途変更について、建築士など専門家との連携も含めたご相談を承っています。
「この空き家、店舗にできるか知りたい」という段階でも、お気軽にご相談ください。
空き家を事業用テナントに!活用ガイド
空き家活用を得意とする佐久市の不動産会社「にじや不動産」では、自社所有のテナント貸し出しも行っています。
このガイドでは、佐久市で空き家を店舗・事務所として貸し出すことを検討する方に向けて、
- 住居用との違い
- 契約の実務
- 賃料の考え方
- 開業希望者とのマッチング
までのノウハウをまとめて整理しました
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